HOBO日鑑イタイ新聞

職人が二本の人差し指で一文字一文字、じっくり丁寧に打ち込みました

ウォール・ゴジョカイ陥落

先日、私が仕事から帰ったら食べようと、冷蔵庫に大切に保管していたプリンが、家人によって、食べられてしまっていました。疲れて帰ってきたのに、冷蔵庫のどこを探しても見つからない。カバンの中も、机の中も探したけれど見つからない。そしてゴミ箱に、無残なプリンの残骸を発見する……この無念、ご理解いただけるでしょうか?
 
沸きあがる怒り、しかしそれをぶつけるには、敵はあまりにも巨大だ…
 
    その日 人類は思い出した
    奴らに支配されていた恐怖を
 鳥かごの中に囚われていた屈辱を…
 
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…と、このようにやるせない気持ちを抱えながら、日々を過ごしている私です。今回、互助会存続を望みながらも、踏みにじられてしまった人類の気持ち、よーくわかります。
 
互助会を守る為に奔走してきた方々、その中でも特に努力の甲斐もなく、結果的に自分が、最後の会長となってしまった方などは、自責の念に駆られていることでしょう。
 
悔しさや無力感、互助会を守ってきた先人や、自分を支持してくれていた人たちに対する申し訳なさなど、さまざまな感情が、寄せては返す波のよーおーにー激しく~己を苛んだことでありましょう。それはさながら、甲子園で最後のバッターとなってしまった、高校球児のように。
 
しかし気に病むことはありません。あなたを打席に送った監督も、一打逆転を狙っていたわけではありません。12点差で迎えた最終回、ツーアウトランナー無し。すでに勝負はついていたのです。あなたが出塁しようと、例えホームランを打とうと、ゲームの行方に影響はありません。
 
監督も「思い切って振って来い。お前の3年間をぶつけろ!」と送り出してくれました。ヒットで一矢報いればよし。仮に空振り三振に倒れようと、あなたを責める人なんていません。単なる思い出出場なんですからあなたの3年間の努力はみんな知っていますから。
 
開会式での宣誓通り、正々堂々戦い抜けば、それでいいんです。(内角球が袖にかすったとデットボールをアピールしたり、振り逃げを試みたりしたのも、あなたの勝負にかける執念と受け取っておきましょう)
結果は残念でしたが、田舎からバスに揺られて駆けつけた大応援団も、温かい拍手であなたの健闘を称えています。さあ涙を拭いて立ち上がりましょう。
 
……と美談でおしまいにしたいのですが、ひとつ疑問があります。
なぜ廃止なのですか?アンケートの結果、全員が廃止希望ならともかく、少数とはいえ存続希望もあったはずです。任意加入で続ける道もあったのでは?
 
相互扶助の高邁な精神や、先人への感謝を謳い、全員強制加入の方向で改革案を練っていたのに、若い鑑別師たちが逃げ出してしまいそうだと見るや廃止。
 
これでは、「会費は負担するが恩恵を受けることは出来ない、カモである若い鑑別師から、金を巻き上げることができないならば、会を運営しても意味が無い」と考えて廃止にしたのではないかと、皆が「誤解」してしまうのではないでしょうか。
 
あなた達運営委員のお歴々は、巨人が人間を食料だと認識しているように、若い鑑別師を食い物にしようとしていたのですか?ところが家畜が意思を持っていて、反撃に移ったものだから、尻尾を巻いて逃げ出したのですか?
 
鑑別師という不安定な職業、セーフティネットの需要は高いと思います。しかし、ロープの上を綱渡りさせられているのは若い人で、セーフティネットをハンモック代わりに、下でベテランがうたた寝している。そういう構図に気付かれてしまったからこそ、こういう結果になったのでしょう。
 
偽りの安寧に浸る豚の皆さん、うかうかしてると次の壁もぶち破られますよ。