HOBO日鑑イタイ新聞

職人が二本の人差し指で一文字一文字、じっくり丁寧に打ち込みました

鑑別師カッコカワイイ宣言

皆さん鑑別師にどのようなイメージをお持ちでしょうか?

暗闇の中で、ランプの明かりを頼りに、ヒヨコの肛門を開けて、覗き込んでは投げ、また一羽掴んでは肛門を覗く……このように書くと実に変質者っぽいですね。そこまでいかなくても、何と言うか、“卓球部”と言う言葉を聞いたときに感じるものと近い、と言いましょうか。

 ずばり言うと暗い?

いやいやいやいやそんな直球で。それはダメージが大きすぎる。皆さん誤解しておられます。鑑別師は暗くない。確かに30年も前のことを、つい昨日のことのように愚痴って聞かせてくる方もいますが、それはその方個人の資質の問題であり、鑑別師だから暗いのではありません。

ときに一羽の間違いをネチネチ責めてくるような方もいますが、それはその方の鑑別に対する情熱がそうさせるのであって、高い職業意識を持っている証しです。これをもってして、鑑別師とは粘着質で暗い人間の集まりだ、とネガティブな評価を下すことも正しくありません。

一般の方の鑑別師に対するイメージを変えるためにも、皆さんの知らない鑑別師の一面をご紹介しましょう。

まず、あまり知られていませんが、鑑別師は意外と知的レベルが高いのです。養成所の募集要項には高卒以上となっていますが、あれは建前です。私の同期には、院を出た人までいました。院の前には鑑別所にいたそうで、鑑別のエリートコースを歩んできた男でした。

さらに私が鑑別師になってから知った、鑑別師の知的水準の高さを物語るエピソードがあります。それは私が新人として海外にきて、周囲の鑑別師との何気ない雑談の中で知ったことなのですが、驚いたことに、その場にいた全員が、ケンブリッジやハーバード、MIT等有名大学を卒業した人たちが利用していると思われるファーストクラスではなく、エコノミークラスでヨーロッパに来たそうです。経済観念が発達しています。

そして鑑別師はモテます。いや、正確に言えばモテた、でしょうか。鑑別が儲かった頃は、その羽振りのよさで欧州各国でもモテモテだったそうです。しかし、現代の鑑別師が、収入が下がったせいで絶対モテないか、といえばそうではありません。

例えば、高学歴で親が資産家、外国語が堪能な小栗旬似の鑑別師がいたとしたらどうでしょう?稼ぎに関係なく絶対モテモテです。小栗旬似だからモテるのだ、とお考えになる方もいることでしょう。ですが、そうではありません。その証拠に、小栗旬を三浦春馬に置き換えたとしても、全然問題ありません。

このように鑑別師は現在でも(本人の資質によっては)ヨーロッパの美女達からも、ちやほやされる可能性が高いのです。あなたも鑑別師になってモテキを迎えてみませんか?小栗旬か三浦春馬に似た手先の器用な方、芸能界なんて目指さずに、ぜひ養成所の門を叩いてみてください。

ちなみに、女性鑑別師の場合は、もっと簡単にモテます。特に海女さんの格好をして海に潜れば、人気者になること間違いなしです。少なくとも今年いっぱいは。じぇじぇ!